二回生になって

今の大学に入って、約一年と半年が経つ。
美術大学において最も大事なことは、個性を持ち、興味のある方向へ一直線に進むことであるようだ。それは美大の人間だけでなく、人生を充実させるためにすべての人に必要なことだと思うが、もし普通科の大学に進学していたとしたら、僕はそんな簡単なことにも気付かなかったと思う。そこに気付けた分、僕は1年前よりも一つ大人になったのだという実感はある。
しかし残念なことに、僕には「興味のある方向へ一直線に進む」ということを実行する才能が全くないようだ。これも最近気付いたことなのだが、僕は周りの立派な美大生に比べ、圧倒的に集中したり熱中したりすることが苦手なのだ。僕にとって、例え好きなことであっても、それに一直線にのめり込むということはあまりにも難しい。実現不可能といっても過言ではない。それくらいに、僕という人間は一美大生として、一人の人間として本当にダメなのである。
要するに、僕は作り手としての才に圧倒的に恵まれなかった、ということだと思う。


ならばどう生きるか。何の作り手にもなれない人生に意味はあるのか。


本当にそんなことばかりをグルグルと考えてしまうこの頃です。
僕も立派な美大生になりたかった。